みんな大好きお金の話と、あまり関わりたくない法律の話 第2回は、
みんな大好きお金の稼ぎ方のお話です。
マネタイズ方法
堅苦しい法律の話は一旦忘れて、よく使われているマネタイズ方法を列挙していきますよ。
ゲームをよく遊ぶ方であれば、もう説明の必要もないかもしれません。
- 単体販売
昔ながらのパッケージ販売や、アプリを買うのにだけお金がかかり、1度買えばあとはお金を払う必要のないタイプです。
ただ、最近では主流ではなく、説明文やスクリーンショットだけを見て買おうと思ってくれる方も少ないでしょう。
この手法で利益を出すには、プロモーションが最大の鍵ですが、まず万人に受けるゲームを作るなど、多くの方向で戦術戦略的に狙って作らなければなりません。 - 月額課金
単体販売がさらに毎月の利用料を必要とするように進化?したバージョンです。
フィーチャーフォンアプリのソーシャルゲームや初期のオンラインゲームなどがこのタイプでした。
一見毎月の利用料で儲けが多そうに思えますが、ソーシャル要素がないゲームには不適切です。
そもそも月額になった一番の理由はサーバー運用費が継続してかかるためだったはずなので、単体アプリをDLしただけで遊べるゲームに誰が利用料を払うのでしょうか。
また、この場合も、単体販売同様、購入前はどのようなゲームか分からないため、狙って作らないと現在のゲームアプリ市場難しいのは確かです。 - 課金アイテム
消耗品や武器防具などのアイテムをアプリ内課金で販売するタイプです。
アバター要素との相乗効果を狙ってカワイイ!萌え!かっこいい!エロ!な衣装を売り、コレクター精神をくすぐるようなものもこの課金アイテムに該当しますね。
注意点としては、ゲーム的効果のあるなしに関わらず、それが通貨であってはいけない点です。
アイテムだと言い張ったとしても、通貨的な使い方しか出来ないのであればそれは通貨なので課金アイテムには該当しません。 - DLC
DLCとはDown Load Contentsの略で、追加要素のことを言います(課金アイテム含めてDLCと言ってしまっている場合もあります)。
たとえば、ストーリーを1話/1章などでわけ、続きが知りたければ買ってね!とか。
新しいステージ/エリアを追加しました!そこで遊びたければ買ってね!
などなど、リリース時点ではなかった要素に対して、それ自体をあたかも単体販売のように売る手法になります。
すでに遊んでいる方が、そろそろ飽きてきたから追加要素こないかなー、なんて時にででん!と出すことで売り上げ効果が高いでしょう。
ただし、あくまで追加コンテンツです。
そのコンテンツ単位はゲームによりますが、それなりにアピールするにはそれなりな開発コストもプロモーション費もかかってきます。
ただ、漫画や小説などもそうですが、全体を通してみれば完結していないが出来ているところまで出して収益とするスタイルは結構多いです。
ユーザー視点からするとあまり良くは思われないかもしれませんが、
特にインディーゲーム開発者ではDLCを主体としてでも、一気に完結品を作ろうとして力尽きる。なんてならないようにしたいですね。 - 仮想通貨
課金アイテムの購入を、一旦ゲーム内での課金通貨を通して買うタイプです。
これは、ユーザーの課金フローの問題を解消するためで、複数の課金アイテムを買いたいのにその都度決済を挟むと面倒に感じるから。というのが大きいでしょう。
また、まとめ買いやキャンペーンによる高額課金への誘導のしやすさもあります。
壱万円課金すれば千円分お得!、しかもいまならさらに千円分も追加!とか良くあるパターンです。
ただし、事前に挙げたように、この通貨は本来資金決済法に該当する仮想通貨です。有効期限を設けたから回避ーとか、そもそも1000万円の残高にはならないだろうとか思って消費者保護の観点を忘れてしまってはいけません。 - ガチャ
ガチャとは、アイテムの入手方法を確率によるランダム要素にするシステム自体を指します。
ここでは、仮想通貨や課金アイテム(ガチャしかできないアイテム)を消費して、別のアイテムを入手することで、目当てのアイテムが手に入るまで、何度でもガチャを回してもらおう!
という観点で見てみます。
まずは、何がでるかわからないため、本当に欲しいものがある場合は、ついついやってしまいがちになってしまいます。
単純に儲けたいなら、このシステムの導入が一番確実です。
ですが、ガチャで手に入るいわゆるゴミアイテムも含めて、コンテンツの大量生産が必要になるため、インディーズからすると夢のまた夢。この手法のみで収益モデル決定とするのは難しいと思います。 - クリック型広告
Webサイトやスマートフォンなどで最近注目されていた手法です。
広告のみの場合、ユーザーは完全に無課金で全てのゲームコンテンツを遊ぶことができます。
こういうユーザー無課金型収益モデルを「フリーミアム」と言うようです。
ただし、クリックしてもらえなければ収益にはならないため、上手くアクティブユーザーを確保できたとしても、どれだけの収益となるかの見通しを立てるのは難しいでしょう。 - リワード広告
クリック型の広告だけでは、ユーザーが広告をクリックする導線が張れない!
その問題を解決したのがリワード広告(リワード=報酬)です。
ゲーム内通貨やアイテムなどを報酬としてユーザーにプレゼントすることで、そのプレゼントが欲しければ広告に指定されたアクションを取ってね! というわけです。
昔からありましたが、ポイント型サイトというのを知っていますでしょうか。
クリックすれば1ポイントゲットとか。登録すれば100ポイントゲットとか。
で、そのポイントを換金できたり、そのポイントで商品と交換できたりするアレです。
その手法がベースで、ゲーム内通貨やアイテムがもらえる!ということですね。
最近のフリーミアムの主流はまさにコレと言っていいでしょう。
ゲームとの関連もアリ、導線が張れるので収益の見通しもある程度立ちます。
ただし、ユーザーにゲーム外のアクションを取らせるという負担があるため、リワード反対の声も上がっているのも確かです。
アクションと言っても、他のアプリをインストール+起動するものからクレジットカードの契約まで非常に幅広いので、
もしゲームにどはまりしてしまったがために、むやみやたらとクレジットカード契約をする方がいればかなり問題があるように思えます。
たしかにリワード反対の主張もわかります。
しかし、結局のところ選択の権利はユーザーにあるため、どのアクションを取るかは完全にユーザーの責任とせざるを得ないですね。
とは言っても丸投げしても印象はよくないため、利用規約などに文言を追加したり、リワード広告の表示前に注釈を入れたりで、リワードについて詳しくない方でも安心して利用できるような配慮も必要かもしれません。
クレジットカードなどの関係で、未成年かどうか、保護者の同意があるかの確認もあるといいでしょう。
ケットシーウェアとしては、もろもろの理由からDLC+ガチャ(ただし無課金で回せる)+リワード広告(ガチャなどに必要なポイントの入手経路)による収益モデルを考えています。
できれば課金通貨も考慮にいれていますが、現状では難しいです。
次回は、これら収益モデルをゲームに組み込む際に気をつけなければならない点を考えて見ます。「収益モデルに適合したゲームプレイサイクル」のお話です。
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